「当世結婚事情」

第2回は、マッチングアプリと結婚相談所について考えてみます。
豊富な人生経験を持つカウンセラーからのアドバイスにご期待ください。

第1回は、当世の結婚事情について結婚相談所の役割を考えてみましたが、今回は知られているようで、知られていない結婚相談所におけるマッチングアプリの役割について考えて見ます。

年齢、住所、収入、趣味、写真、学歴、相性などから自分の希望にかなうお相手を瞬時に見つけ出してくれるのは、世に言うマッチングアプリのおかげです。マッチングアプリとは、コンピューターを通じてお相手を選別し、出会いを演出するシステムだと言えるでしょう。

マッチングアプリは、いわゆる出会い系サイトや婚活サイトから、AIを使ってまじめに結婚相手を選び出す結婚相談所サイトまで多種多様な目的のために使われます。出会いやマッチングだけを目的とし、それだけで完結するマッチングアプリと、最終目的は結婚であって、マッチングアプリは単なる手段とする結婚相談所とでは、同じマッチングアプリとは言え、その目的によって完全に区別されるべきものです。むしろ、結婚相談所ではその後、二人が成婚にいたるかどうかがもっとも重視され、改良が加えられるからです。

出会い系サイトでは、免許証のコピーで年齢確認をするぐらいで簡単に会員になれますし、会って気に入らなければそれまでの話です。結婚相談所では住民票、卒業証明書、独身証明書、年収証明書などの書類で身元の確認をしたうえで、さらに相談所との面接を経て本人の好みや個別の事情を聞き取ります。その上でマッチングアプリにより6万人の会員(IBJ/2019年)からベストマッチを探し出します。それだけお見合いやお付き合いを含め、相談所は親身になって必要な情報を提供し、当然高い成婚率も誇ります。

近々、AIを使ったより精度の高いマッチングアプリが提供されることになっており、今後ますます楽しみです。


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「当世結婚事情」

当世結婚事情

まずは、昭和から平成にかけての結婚事情を概括的に見てみましょう。

「昭和40年代の結婚事情」
昭和初期から昭和40年くらいまでは、7割が  お見合い結婚だったといわれています。そこには、親戚やご近所のお節介おばさんがいて、適齢期の男女がいれば、頼みもしないのに縁談話を持ってきてくれたそうです。

「昭和40年代後半以降の結婚事情」
時を経て、昭和40年後半ぐらいから好景気を背景に、会社では大量採用の時代に入ります。特に女性の社会進出は目覚しく、会社は若い女性が増え、日本独自の終身雇用や年功序列制度と相俟って職場結婚も歓迎されることとなりました。こうして結婚事情もこのころから、お見合い結婚から恋愛結婚(職場結婚)に主流が移ることになりました。

「平成の結婚事情」
しかし、現在の結婚事情はまた様相が変わりました。会社の評価制度は年功序列から実績主義へと変わり、終身雇用も実態的にはかわりつつあります。また、会社内の倫理・規範が厳格に求められ、パワーハラスメント、セクシャルハラスメントなどハラスメントに対する考え方は大きく変わりつつあります。職場での恋愛は、以前ほどおおらかなものではなくなりました。また、女性と男性の賃金格差がなくなり女性の地位の相対的高まりともに、結婚適齢期ではなく出産適齢期が意識されることになりました。

「お相手の身元確認」
これらの状況を背景に結婚相談所の役割がたかまっています。ITの発達に伴って、どこで会うかではなく、誰と会うかが重要なキーワードとなりつつある昨今。お相手の収入や福利厚生制度と出産に伴う協力的態度については、結婚前に十分確かめることができます。それらを間に立って可能にするのは、第三者的立場の結婚相談所の大きな役割です。

結婚相談所には結婚までの間に相当の費用を払う必要がありますが、その役割を考えれば相応の経費と言えると思います。

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